Vol8:『理想の上司とは』 二野瀬 修司 « 個人を本気にさせる研修ならイコア

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Vol8:『理想の上司とは』 二野瀬 修司

皆様にとって「理想の上司は?」と聞かれたらどんな上司を思い描きますか。
指示が明確な上司、難局をともに乗り越えてくれる上司、部下の成長を
考えてくれる上司等、色々な理想があるかと思います。私は20代の頃、
理想の上司とは、部下の意向に耳を傾け、部下のモチベーションを上げてくれる、
それが理想の上司だと考えていました。
私は前職、銀行に在籍しておりましたが、入社して3つ目の部署で一緒に業務を
行った上司は、そんな私の理想とは程遠い存在で、口数は少なく、要点のみを
伝える、そんな上司でした。
当時の印象的なエピソードを一つお伝えしたいと思います。

ある日、自身の担当する取引先(A社)から融資の相談がありました。
必要額は1億円。その会社の規模からすれば妥当な水準であり、融資可否を
判断する審査部と事前協議を行うと、結果はOK。私は審査部とスムーズに
交渉できたこともあり、意気揚々とその件を上司に報告しました。
すると上司からは「二野瀬は仕事のやり方が甘い」と言われ
「A社には2億円融資できるように審査部と交渉しておけ」とのこと。
私はギョッとして「A社は必要額1億円と言っているし、他の銀行からも提案を
受けているので、1億円超の融資は必要ない。2億円となると審査部との
交渉も難航するし、1億円でA社にすぐに回答すべきです」と伝えました。
すると上司は「お前は視野が狭い。A社から1億円と言われたら、それを
実行するだけでいいのか。A社はこれからもっともっと発展する。銀行は
日本の産業を支える責務があるだろう。2億円で審査部と交渉しろ」とのこと。
私は審査部との交渉が難航するのが目に見えていたので、渋々でしたが、
あきらめて審査部に2億円で再度交渉することにしました。

翌日、審査部に2億円で打診したところ、審査部の担当者からは、案の定
「意味が分からない、何のために2億円必要なのか、融資担当者として
能力が足りない」とボロクソに言われました。ただ、当時、私は審査部より
上司の方が怖かったので、審査部には「何とか資料を整えてくるので、
引き続き相談させて欲しい」と粘り、その後2週間、審査部と協議を重ね、
終電間際まで資料作りに奔走し、交渉を続け、結果、2億円で決裁をとりました。
決裁後上司へ報告、その後A社に2億円融資可能ということを伝えましたが、
A社は当初の予定通り「1億円しか必要ない」とのことで、融資額は1億円との
方向で準備を進めることになりました。
私はA社の反応から「それ見たことか、あの上司は何もわかっていない。
何が日本の産業の支援だ、かっこつける前にA社の言っていることを素早く
実行するのがあるべき姿だ」と思いつつも、繁忙期でもあり、特段上司には
何も言わず、通常の業務に戻りました。

ところが、程なくして、市場に大きな変化が起きます。世界経済を
震撼させたリーマンショックです。そしてそれはA社にも大きな影響を与え、
結果、なんとA社から、もう1億円融資できないか、との相談がきたのです。
私は開いた口が塞がりませんでした。「視野が狭いとはこのことか!これが
日本の産業を支えるということか。」至急、審査部に再度相談したところ、
これまで事前協議を重ねていたこともあり、直ぐに承認。A社は他の銀行にも
相談したようですが、当時の未曾有の環境下では、すぐに回答はできないという
銀行ばかりとのこと。私の銀行のみでの単独融資を行うことができました。
A社からは非常に感謝されるとともに、対応の素早さに感心されました。

私の上司は当時、当然リーマンショックを予見していたわけでもなく、
その上司自身の信念を私に伝えただけだった思いますが、私にとっては
視野の狭さを痛感すると同時に、「上司のあり方」を考えさせられた
出来事でした。理想の上司とは必ずしも部下の意向を汲み取り、部下の
モチベーションを上げる、それだけが理想ではない。部下が反論しようとも、
信念を伝え、後は部下に考えさせる、それも一つの上司のあり方だと
思うようになりました。
自身もその後、管理職となり、部下との接し方に悩むことは多々ありましたが、
上記の上司のやり方を念頭に、自分なりのスタイルを確立するように努めました。
「理想の上司」の正解はない気がします。理想の上司とは、その人の仕事に
対する姿勢、
価値観、進め方、色々な要素が混ざり合い、そしてその職場毎に最適な形が
できるのではないか、と感じます。

イコアでは人材育成に留まらず、上司・部下の関係やあり方を見つめる、
そんなマネジメント研修、階層別研修を行っております。是非人材に関わる
様々な課題をご相談いただければ幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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