第60回:フィンのことはフィンに聞け « 個人を本気にさせる研修ならイコア

ホームサイトマップお問合わせ・資料請求
パートナーコラム 紺野真理の「海軍におけるマネジメント」
サービス内容事例紹介講師紹介お客様の声コラム会社概要

第60回:フィンのことはフィンに聞け

※以前書かせていただいた「海軍におけるマネジメント(艦隊勤務雑感)」を
復刻版で載せてみたところ、意外にもご好評をいただいたため、
以前に書いたものではなく、海上自衛隊退官後24年を経過してしまいましたが、
現在の私が思い起こし感じていることを書かせていただき、
今後のメルマガに掲載させていただこう、などという企みをしました。
前回のものと同様に、私のわずかな経験の中で見聞きしたことを、特に明確な意図
というものはなく、何とはなしに書いてみたいと思います。
「艦隊勤務雑感」という副題も、あえてそのままとさせていただきます。
むろん、艦隊勤務を本望として20年間生きてきた私のことであり、
主に艦(「ふね」と読んでください。以後「艦」と「船」がごちゃごちゃに出てまいります
のであしからず)や海上自衛隊にまつわることでお話を進めたいと思っております。

「海の上は政治の延長」について3回続けたところで、
今回は、海上自衛隊やマネジメントというところを離れて、海に関することではありますが、
スクーバーダイビングの経験についてお話ししてみたいと思います。
私がスクーバーダイビングを初めてすでに20年近くになり、
本年8月27日に城ケ島で400本(使用タンク本数)を数えていますが、
その中で特に印象に残った出来事についてお話ししたいと思います。

私は慶良間諸島の阿嘉島という人口300人程度の小さな島に毎年潜りに行きます。
私が阿嘉島に行く動機(目的)は、お世話になる宿のおじちゃん、おばちゃん
(私より高齢なのであしからず)に会いたいことと、Kさんというダイビングショップの
オーナーのガイドで慶良間の海を潜りたいということです。このガイドのKさん、
私と同年ですが経験豊富な異色のダイバーです。慶良間諸島、そして阿嘉島にも多くの
ガイドさんがいることと思いますが、特筆すべきガイドの一人と思っています。
私が彼に惚れ込んだのは、初めて阿嘉島に行った際に、2本の潜水を終え船に上がったところ、
船上で海を見つめて、突然、「紺野さん、マンタ見たくない?」と聞くのです。
「マンタ」とは「オニイトマキエイ」という名のダイバーにとっては垂涎の的であり、
私もそれまで水族館以外では見たことがなかったのです。
私は、「見たい、見たい」と連呼しました。
すると、Kさん、もう一度海を見て風を感じながら(?)なのか、潮を見ながら(?)なのか、
「今なら見れる」と言って、ボートを島と島の間にある狭い水道に持っていきました。
タンクは全て使ってしまったので、スノーケリング状態で、マスクとフィンだけで
海に飛び込み待つこと数分。3尾のマンタが悠々と泳いで水面まで上がってくるではないですか。
それは全くの興奮状態でした。後にも先にもマンタをこんな手の届く間近で目にしたのは
この時だけです。それから、毎年、この慶良間の海に潜るために、15年間、
この島に通い続けているのですが、そのことがあったのは、今から数年前のことです。

40分くらいの潜水を終えてボートに上がる際に、一緒に潜っていた一人の女性が、
フィンを海中に落としてしまいました。フィンですから、真っすぐ落ちるわけはありません。
右に左に揺れながら落ちていくのは見えましたが、水深20メートル近くの場所で、
下には岩場と周りにサンゴがあり、どこにいったものやらわかりません。
フィンを捜すために私も潜ろうとしたのですが、その前に、Kさん、「だいじょうぶだよ、
フィンのことはフィンに聞け」と言うなり、彼女のもう一方のフィンを外させて、
海に放り投げたのです。
そして、「紺野さん、ちょっと見てきて」というのです。
私は、「こんなことしてわかるわけが‥‥?」と疑心暗鬼ながらもKさんの言うことなので、
右に左に揺れながら落ちていく黄色いフィンを追って20メートル近くまで潜りました。
そのフィンが着底した付近を見ると、3メートルくらいのところに、
何と最初に落ちたフィンがあるではないですか。これには私も驚きました。
当時の私の潜水回数は300本前後だったと思いますが、こんな経験は初めて、というか、
落ちていくフィンに落としたフィンの場所を聞くなど想像したこともありませんでした。
しかし、良く考えてみれば、潮の流れに大きな変化がない場合であれば、
それも道理かもしれません。
Kさんの長い経験がそれをさせたのだと思います。どんな複雑に思えることであっても、
環境に大きな変化がなければ、同じことは前に起こったことと同じように起こり得ることを、
ごく当たり前のようにやって見せてくれたものと思います。

ところで、阿嘉島のことを書いたので、みなさんにご覧いただきたいものがあります。
先の大戦における沖縄戦は、米軍が慶良間諸島に上陸したところから始まっています。
そして、その最初が阿嘉島だ、という話は、島のおじちゃん、おばちゃんから
聞いていましたが、昨年その証明となるものがあることを初めて知りました。
場所は、阿嘉島の隣にある慶留間島、その先にある外地島なのですが。

まずは、写真を見てください。そこには、こう書かれてありました。
19450326

sekaiheiwakinenhi

 

  1945年3月26日早朝 

  太平洋戦争日本国固有領土米軍上陸第一歩之地    と書かれてあります。

  さらに、

  Men of 77th Division salute as the American flag is raised for the first time on the Japanese homeland, Hokaji IsLand Ryukyu IsLands .

Copyright (c) 2024 e-Core Incubation Co.,Ltd. All Rights Reserved.  Web Produce by LAYER ZERO.