対象
若手社員(2~5年目)
導入背景
コロナ禍を経て、DX推進、テレワークなど働き方の変化、キャリア観の変化など、様々な要因が複雑に絡み合い、従来とはコミュニケーションの取り方が変わってきていました。社員同士の顔を合わせる機会が少なくなったことにより、若手社員と上司とのコミュニケーション量が減り、業務の進捗確認や業務指示など、最低限のコミュニケーションに留まることが増えていました。
部下は上司と考えをすり合わせる時間が取れなくなったことにより、部下は「上司は私のことをわかってくれない、関心を持ってくれていない」と感じ、上司は「部下は言われたことしかやってくれない。何を考えているのかわからない」と、双方がコミュニケーションを取ることで生まれる「相互理解」が不足するようになっていました。
この状況から、若手社員は、VUCA時代の中で自らのキャリアをどう捉え自己実現をしていくのかを考える必要性を感じていました。これまでは身近な上司、先輩を参考にすればよかったけれど、コロナ禍を経て自らがキャリアを主体的に捉え、切り拓いていくことが求められることに、漠然とした不安を抱えていました。そのため、若手社員には、自分自身の今後を主体的に考える、キャリアを中心としたプログラムを設計しました。
上司は、部下とのコミュニケーションが業務の進捗確認、業務指示などに留まり、双方の意図の確認や細かいすり合わせが十分でないまま業務が進んでしまい、部下の意図的な育成や「人(部下)を通して成果をあげる」といったマネジメントに課題がありました。そのため、コミュニケーション量を増やすべく、部下のキャリア面談を定期的に実施するよう設計しました。
目的とゴールイメージ、提案のポイント
目的
- 自社で働く意味、自分自身の期待役割を把握し、今後の成長を考える
- セルフマネジメントの手法を学び、主体的に行動できる社員を目指す
- 組織への理解を深め、主体的に働く環境を整えることを目指す
ゴールイメージ
- 今後の社内キャリアイメージが湧き、モチベーションが高まる
- 主体的に行動できるためのセルフマネジメントを実践できるイメージが湧く
提案のポイント
全体のポイント
[取り組みの流れと特徴]
受講生
- 研修受講後、事後課題で年度末までに目指す姿を設定する。
- 研修の1ヵ月後・3カ月後・6カ月後、年度末に上司と面談を実施。
- 事後課題に目指す姿に向けた途中経過と上司からのコメントを記載し事務局へ提出。
- 自己課題に講師からのコメントを加え、受講生へ返信。講師からのコメントによって、外部からの客観的な視点を確認し今後の活動における参考にできる。
上司
- 研修事前説明会に参加し、実施内容の把握と年度末までの受講生のフォローをイメージする。
- 面談の時間を確保することにより、コミュニケーション量の増加および質の向上を図る。
プログラム
受講者の声
- 大事にしている価値観を考える機会がなく、自分の気持ちを抑え込んで仕事をすることが多々あったが、大事にしたい事、自分の原点を再確認することができた。
- 自分の得意・不得意についてわかり、今後は何を目標に、どのような計画でなどといったことをイメージできました。
- キャリア自律し、主体性を持って働くことの意味を掴めたような気がする。
- これまでの出来事を、多様な思考法やワークを通して分解し振り返ることで、自分では気づけなかった視点から俯瞰できた。
- 会社員として、組織と価値観をなじませること、外部環境に振り回されてキャリアビジョンを見失わないことなど、長く働いていく上でのモチベーションを保つコツを忘れないように、業務にあたっていきたいと思いました。
- 自分の考え方や行動の理由がどこから来ているのか、考えることができた。自分を客観的に分析しやりがいを感じたりポジティブ思考につなげやすくなるだろうと感じた。
- 以前は「キャリア」と聞くと、「仕事で昇格すること」のようなイメージが強く、どのようなキャリアを歩みたいかを問われてもなかなかイメージを持つことができなかったが、キャリアとは自分自身の行動のプロセスであることや、いろいろなキャリアがあることを学び、もう少し簡単に考えてよいんだなと安心できた。
- 研修で学んだキャリアプランの立て方は上司に共有済みであるため、今後上司と相談しながら考えて直していきたい。
担当者よりひと言
コロナ禍を経て、特に働き方に変化がありました。スケジュールが空いていれば、どんどんとミーティングが入っていくなど時間管理が難しく、
その結果、自身の業務を進める時間が少なくなり、コミュニケーションを取りたくても取れない状況が増えていきました。
研修を実施後、受講生と上司の間でコミュニケーション量が増え、特に上司側から「部下と話す時間を取れてよかった」という声が多くあがりました。部署によっては、研修後に部署全体のコミュニケーション量が増え仕事が進めやすくなったようです。この研修を企画して良かったと心から思えました。
本取り組みに関心のある方、より詳しく知りたい方は、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。