第15回:世界に冠たる大英帝国 « 個人を本気にさせる研修ならイコア

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パートナーコラム 紺野真理の「海軍におけるマネジメント」
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第15回:世界に冠たる大英帝国

※以前書かせていただいた「海軍におけるマネジメント(艦隊勤務雑感)」を復刻版としてメルマガに載せてみたところ、意外にもご好評をいただいたため、退職後19年を経過した現在の私が当時を思い起こして感じていることを書かせていただきました。これまでのものと同様に、私のわずかな経験の中で見聞きしたことを、特に明確な意図というものはなく、何となしに書いてみたいと思います。「艦隊勤務雑感」という副題も、あえてそのままとさせていただきます。むろん、艦隊勤務を本望として20年間生きてきた私のことであり、主に艦「ふね」(以後「艦」と「船」がごちゃごちゃに出てまいりますのであしからず)や海上自衛隊にまつわることでお話を進めたいと思っております。

みなさんは、英国という国についてどのくらいご存知でしょうか。英国、あるいはイギリスという名称で誰もが知っている国ではありますが、どのくらいそのイメージをお持ちでしょうか。名称にしても正式には、「大ブリテン島と北アイルランドの連合王国」であり、ヨーロッパの北西の隅にたたずむ小さな島国でしかありません。

かつて、世界の海、7つの海を支配した大英帝国というイメージはあるにしても、もしかしたら、21世紀の今日、あるいはその前の20世紀に至って凋落した過去の大国というイメージをお持ちではないでしょうか。世界中の植民地が独立した以降は、確かに過去の栄光という印象が強いかもしれません。

しかし、サッカーのワールドカップが行われると、その参加単位としては英国という国家ではなく、スコットランドやイングランドという英国内の個々の地域となっています。何か特別な意味があると思われます。私が初めてオーストラリアに行った際にその意味を強く感じたことがありました。オーストラリアの海軍では、全ての軍艦の名称に、「HMAS」という4文字が冠せられています。「HMAS Sydney」のように。シドニー郊外のジャービスベイにある海軍兵学校を訪れた際にも、「HMAS」の文字が書かれたタイムベル(時鐘)がありました。この「HMAS」の意味がすぐにわかる方はかなりの国際派ですね。いまどきの言い方をすれば、グローバル人材(?)であるといっても良いかもしれません。

ちなみに、隣のニュージーランドでは軍艦の前に「HMNS」がついています。もちろん、その原点たる英国海軍の軍艦には、「HMS」という文字が冠せられています。ここまで書けば、かなりお分かりになる方もおられるかもしれませんね。

そうです、ご想像のとおり、「HMS」とは、「Her Majesty’s Ship」です。「女王陛下の軍艦」なのです。オーストラリア海軍においては、「Her Majesty’s Australian Ship」となります。

オーストラリアにおいてもニュージーランドにおいても、それは「女王陛下の軍艦」なのです。確かに、オーストラリア、ニュージーランドも独立国家ではありますが、国旗にユニオンジャックも残っており、そこには女王陛下の名代たる「総督」がいます。私たちが訪問したときに最初に歓迎してくれたのは、海軍でも政府関係機関でもなく、総督なのでした。しかし、国旗からユニオンジャックが消えており、フランス系住民も多くいるカナダにおいても軍艦は、「HMCS」なのです。良く考えてみれば、カナダドルのデザインは、確かに女王陛下ですよね‥‥。

このように見ていくと、大英帝国の威光というのは、今でも厳然として残っていることがわかります。サッカーの参加単位だけではなく、国際的な常識としてもその威光は赫々たるものといえるのではないでしょうか。GDP総額が日本の半分程度だからと見下すようなことはないと思いますが、まだまだ世界のそこここに大英帝国の名残は見られることを私たちは認識しておく必要があると思います。そんな脈絡から現在の英国を見ることが必要だと思います。EUに加盟はしていてもユーロ圏には入らない英国、歴史上ヨーロッパが一つにまとまることを抑止するバランサーたる位置を継続し、維持してきた英国というものから、私たちの学ぶべきことは多いものと感じています。

▽最後に・・・▽

皆さま、いかがでしたか?今月も楽しんで頂けましたか?

来月もまた、盛りだくさんの内容で皆さまにお届けしたいと思います。

是非お楽しみに・・・。

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