こんにちは、水本龍馬です。今回は「主体的なお手伝い」についてお話ししたいと思います。
日々の仕事の中で、皆様も「メンバーが自発的に動いてくれたら…」と感じることがあるのではないでしょうか。私自身も多く感じることがあります。たとえば、自分の業務が逼迫している時に、周囲が積極的に主体的に動いてくれれば、業務が円滑に進むと考えてしまうことがあります。
先日、妻が体調を崩し、家事が回らない日がありました。我が家の8歳と6歳の娘たちは、普段は面倒くさがってお手伝いをしぶることが多いのですが、その時は驚くほど積極的に動いてくれました。私が忙しそうにしているのを見て、自ら進んでお皿洗いや洗濯物干しを手伝ってくれただけでなく、普段は促さないとやらない学校の宿題や翌日の準備なども、何も言わずに率先してやっていたのです。その時、ふと思いました。「なぜ彼女たちは今回、進んで行動してくれたのだろう?」。それは、おそらく私が困っている様子を素直に見せたから、もしくは、頼りなさを感じて心配してくれたのかもしれません。
以前、料理に興味を持ち始めた長女が、野菜を切る、具材を混ぜるなどのお手伝いをしたいと言いだしたとき、「時間がないから」という理由で断ることが多々ありました。前コラム「できるまでの忍耐」でお話しした内容は何だったのだと言われてしまいそうですが・・・。彼女は次第に料理を覗きに来なくなり、今回、料理のお手伝いをお願いしたときに聞いてみると、「だって、いつもダメって言うじゃん」と言われてしまいました。彼女が興味を持ち、主体的に行動しようとしていたのに、その気持ちを削いでしまったのだと反省しました。
この出来事は、私自身の仕事にも通じているのではないかと感じました。リーダーとしての責任感から、すべてを自分で抱え込んでしまうことがあります。重要な顧客対応やプロジェクトなど、つい「自分でやった方が早い」と感じて相談もせず行うことで、結果としてメンバーの成長機会を奪うだけでなく、彼らの主体性を失わせているかもしれません。
ここで重要となるのがリーダーの“自己開示”だと感じています。リーダーが自分の弱点や困っている部分を素直に見せることで、メンバーは「自分の助けが必要だ」と感じ、自然と行動を起こすようになります。私の娘たちがそうだったように、チームメンバーもリーダーが素直に弱みを見せることで「自分が支えなくては」と思うのではないでしょうか。
リーダーの役割は、すべてを自分で管理することではなく、メンバーが自発的に動く環境を整えることです。自己開示をきっかけにメンバーの主体性を引き出すことで、チーム全体が成長し、より高い成果を生み出すことができると感じています。私も家族と仕事の両方で、試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思います。