Vol1:『愛のある指導とはどのような指導なのか?』 細井 浩一郎 « 個人を本気にさせる研修ならイコア

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Vol1:『愛のある指導とはどのような指導なのか?』 細井 浩一郎

先日、私が以前に携帯販売代理店に勤めていたときの部下(以下Sさん)から
久しぶりに連絡があり、当時のことを思い出しながら話をしている中で、
とても嬉しいことを話してくれました。
その話とは「店長(当時)の指導はとても厳しかったけれど、みんな愛を
感じていました。」ということでした。
この出来事から、Sさんがなぜそのように思ってくれたのか、ふりかえって
考えたことを紹介したいと思います。
 
私は当時、店長(6名の店舗)として駆け出しだったこともあり、マネジメントに
ついて常に悩んでいました。なぜ自分の思ったとおり動いてくれないのか、
なぜ話を理解してくれないのか、なぜ自ら動かないのか。「なぜ?」とばかり
考えていました。感情が溢れんばかりに怒りを感じるときや、今までやってきた
ことは無駄だったのではないかと思い詰めるときもありました。
その中でも「ミーティングで意図を説明し理解を求める」「個別に話し、理解度を
確認する」など思いつく限りのことを試しました。
しかし、一向に状況が改善される兆しはありません。
焦りを感じたまま3ヶ月が経過する頃、ふとあることに気づきました。
それは「マネジメントがうまくいかない理由をなぜ部下のせいにしているのか?」
という「なぜ?」でした。
思い返せば、部下に行動を変えさせることしか考えていなく、極端に言うと
「あなたたちは私の言うとおりに動けば良い」という意思表示をしていたのです。

そう認識してから、私自身が変わることが必要だと考え、3つのことを意識しました。
今回はその中から1つご紹介します。それは「部下はなぜその行動を選んだのか」
ということを観察し、推察する。そして、その後に部下と対話をすることです。
 
実際にあった一例をお話します。
冒頭出てきたSさんは、自らお客様に商品を勧められない傾向がありました。
理由を聞いても「押し売りはしたくありません」としか言いません。
以前の私は「何で勧めないのか!」と叱責していました。しかし、意識を変えて
みると、Sさんが商品を勧めない理由があるはずだと思うようになりました。
そこで私は、Sさんについて知っている情報を整理しました。
在籍年数、家族構成、両親は共働き、長女なので家では母親代わりで、兄弟を叱る
こともある、兄弟をしっかりと行動と言葉で育てなければいけないという思いがある、
正義感が強い、仕事はお客様の依頼に実直に応えることを大事にしている。
ここまで整理して、初めて「押し売りはしたくない」という言葉の意味するところは、
Sさんのお客様に対する誠実さや思いやりによるものだということが理解できてきました。

そう思ってSさんを観察してみると、商品を勧めようとする瞬間があったことに気づきました。
そのとき私は「あ、Sさんは勧めようとしていた…」と深く反省したことを憶えています。
そこから私はSさんに「勧めなかった」ということに重点をおいて話すことをやめ、
代わりに「自分がお客様だったら、どういう接客を受けたい?」と、勧めることへの
抵抗感を払拭するため、一緒に考えるようにしました。考えたことが接客時に
できていればともに喜び、失敗すればともに反省する。決して責めることはせずに、
ただSさんの感情に寄り添いました。寄り添うと言っても、行動を起こそうとする
気持ちが見えないときはきつく叱ることもありました。
一緒に考えた回数は3ヶ月で100回を超えていたと思います。それぐらい一緒に考えました。
Sさんはときに「みんなの迷惑になりたくない」「私は貢献できている気がしない」など
ネガティブな気持ちになるときもありました。そんなときは、店舗のみんなと各々の
失敗談を笑いながら話しました。そんな日々を過ごし、徐々にお客様に勧めることが
できるようになり、成果も出るようになりました。
成果が出るたびに喜ぶSさんの顔はとても楽しそうで、その顔を見て私は
「諦めなくて良かったな」と感じました。 

愛のある指導とは「相手を信じて、相手の立場にたって一緒に考えること」なのだと
思います。言い換えれば「私を信じて、私の立場に立って一緒に考えてくれた」と
感じてもらうことだと思います。それを象徴するように、Sさんは「私を見捨てないで
くださって、ありがとうございました」と言ってくれました。

文字にしてふりかえってみると、とても良い部下に恵まれたなと感じます。
でも、紆余曲折あってのことです。当時を思い返すと苦しい思いもたくさん蘇りました。
この苦しみを部下にもわかって欲しい!(笑)

長くなりましたので、自戒も込めた言葉で締めたいと思います。
「上、3年にして下を知り 下、3日にして上を知る」

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