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Vol6:『キャリアコンサルタントの資格取得から得られたこと』 前田 知里

先日、キャリアコンサルタント資格を更新しました。数年前、私がキャリアコンサルタントの資格に興味を持ったのは、あるお客様とのやりとりがきっかけでした。

その方Aさんは、採用、新人・若手のフォロー面談、階層別教育と幅広く担当されており、当時、現場からの依頼で新入社員配属後のビジネススキル強化にも携わっていました。新聞記事や書籍を読んでレポート提出等の課題を実施していましたが、社内の提出物には甘さが出るのか、どうしても期日を守れない、論理的な文章がなかなか書けるようにならない、という状況でした。新入社員一人ひとりに様々なアプローチで関わっても変化が見られないことに悩んでいる、と私に話してくれました。

私はそこで自分が考えていることを伝えようとしましたが、どう答えても表面的な正論を述べているように感じられました。新入社員一人ひとりに対して熱心に関わり、苦慮しているAさんに比べ、実情を良く知りもしない私が中途半端なことを言えない、という思いがあり、そうかといって、それらしいことを述べたところで、その方の役に立つことになるのかもわからず、ただ無力さを感じていました。

Aさんのように本気で人材開発に関わる方にとっての良い相談相手となれるように勉強しようと思い、検討したものの一つがキャリアコンサルタントの資格でした。勉強を始めてみると、そこで学ぶ内容や考え方は私がこれまで考えてきたことに合っており、資格取得のためのスクーリングと試験に向けての勉強はあまり楽ではなかったですが、興味深いことも多くありました。

 

キャリアコンサルタント資格の勉強を通して私が最も印象的だったのが「逐語」を書くことです。「逐語」とは、『文の一語一語を忠実にたどること』という意味です。産業カウンセラーやキャリアコンサルタントの資格取得には逐語記録による勉強が必須のため、私と同じように、逐語に苦しんだ方もいらっしゃるかと思います。

「逐語」ではロールプレイングのやり取りを録音し、文字通り一言一句、会話の途中の“間“や“えーっと“という言葉もすべて書き起こします。録音した自分の声を再生し、正確に書き起こすために何回も聞き直す作業は、時間がかかるだけでなく、自分の未熟なカウンセリングに直面する、精神的にも苦しい時間でした。逐語に取り組んだことは、資格取得の勉強を通して、現在の仕事にも生かせていることの一つだと思います。

 書き起こした逐語の記録はグループ全員で共有し、検討会を行います。“なぜこの言葉を言ったのか”“どんな意図だったのか”“クライエント(相手)にはどのように伝わったか”“この言葉は不要ではないか”ということをグループでふりかえり、“カウンセリングをやり直すとしたら何と言うか”“自分がクライエントだったら、何と言われたら良いか”という検討をします。逐語は実際に自分が話したことなので、逃げられず、言い訳をすることができません。良かれと思って言ったことが、相手に意図しない伝わり方をしていたり、考えながら話すと質問が長くなったりもしていました。逐語で学ぶことにより、自分が相手に与える影響に敏感になり、現在の仕事でも、お客様との商談における会話をふりかえることなどに役立っていると感じます。

 

キャリアコンサルタント資格取得のための勉強を通して、良かったと感じるのは、資格を取得してからしばらくたってから「お客様への言葉に自信が感じられるようになった」と、社内で言われたことです。数か月間にわたってキャリアについて学び、ロールプレイングやそのふりかえりを行ったことの成果であるとは思いますが、特に、「逐語」を書いて、それを自らふりかえるプロセスを通して、何度も自分と向き合あい、本気になって考えた経験が大きな自信へとつながったのだと思います。

ロールプレイングやキャリアコンサルティングの事例検討ではさまざまな背景を持つ方がいて、それに対して自分がどのように感じるのか、どんな言葉を発するのか、ということを繰り返し考える中で、自分の特徴やできることを認識する機会が数多くありました。これまで私はお客様との商談の機会などにおいて、“自分ができない人だと思われたくない”、“雰囲気を壊さないよう踏みこんだ質問をしない”ということになりがちだったと思います。そんな自分であることを受け止め、いままで経験したことのない状況でも臆せず、自分の意見を取り繕わずに述べたり、わからないことを率直に質問したりするようになってきたことで、お客様との関係にも影響が出始めて、結果として私の口から出る言葉に自信が感じられるように聞こえたのだと思います。

 

現在、実務でキャリアコンサルタントの資格を直接仕事に活かしているわけではありませんが、キャリアコンサルタントの資格取得に伴って、これまでにないさまざまな観点から人や仕事への興味も広がりました。まだまだ自分に見えている範囲は狭く、偏ったものとは思っていますが、“わからないこと、知らないことが多いからこそ面白い”と思って、これからも多くの経験を重ねていきたいと思っています。

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